【クライアントインタビュー】現代の子どもたちの「運動環境」を変えたい

クライアントインタビュー

宮城:本日はNPO法人京都日野匠スポーツクラブの川瀬さんにお越しいただいています。よろしくお願いします。

 

川瀬:よろしくお願いします。

 

宮城 それでは、まずは川瀬さんのことを知らない方も多いと思いますので、自己紹介と、お仕事の内容を教えていただきたいと思います。

 

川瀬:京都の日野という地域でスポーツクラブをしております川瀬と申します。もともとスポーツクラブは経営していなかったのですけど、ある事をきっかけに関心を持つようになりまして。

 

それは自分の子どもが「公園で遊んでくる」と言って家を出た際の話なのですが、結局、その公園で身体を動かすどころかゲーム機で遊んでいたんですね。理由は、遊ぼうにも制限があって遊べなかったというのが理由でして。それを見て、これはあかんなと感じたわけです。

 

子供たちは成長段階で、運動しなあかんし、させなあかんのに、そもそもする場所もないというので、地元の同志と一緒になってスポーツクラブを立ち上げたのがきっかけでした

 

はじめは30名ぐらいの子どもが集まってきて、月4回ぐらい、地域の体育館を貸していただいて、体育館でできるようなスポーツから始めました。

 

もともと私がバレーボール出身だったので当初バレー部を作るかって話だったんです。でも、「部」として活動を始めると強いチームを作り上げないといけなくなるような感じがしまして。

 

でも、そうではなくて、小学校の間はいろんなスポーツが出来るクラブがあっても良いのではと思ってたんですね。そして、そうしたスポーツクラブを作りたいっていうのも常々言っていたことでもあって、そういった背景からスポーツクラブという名目で今のクラブを立ち上げたのがきっかけです。

 

NPO法人設立のメリット

 

宮城:実は今回、 NPO法人の代表者の方の取材がこのマガジンでは初なんです。大体、株式とか合同会社、社団法人や個人の方が多かったんですけど川瀬さんが初めてですね。そういう意味でも色々とお話しを伺いたいのですが、実際にNPO法人の立ち上げにあたって、良かったこととか大変だったことがあれば教えてください。

 

川瀬:そうですね、NPO法人を立ち上げるには10人の理事役員が必要で、活動や法人を理解してもらえる10人を集めるのがとても大変だったと感じます。

 

宮城:NPO法人にしたことで、メリットを感じる部分などはありますか。

 

川瀬:助成金や補助金がもらえるという面ではメリットはあります。あとは、クラブにしていると活動資金が個人のお金になるんですが、NPO法人にすることによって得られたお金は会社に残っていきます。そのためにNPO法人にしました。

 

宮城:なるほど、よく分かります。実は、実際に資金を残すためにNPO化するって人達、結構いるんですよね。会社にすると税金で取られてしまうので。クラブの次の投資のお金というわけだから、スポーツクラブとしても相性がいい法人形態ではあると思いますね。ちなみにクラブを立ち上げて5年ですか。

 

川瀬:NPO法人にしたのは、2年前です。

 

宮城:活動している5年間の間、最初の頃はこうだったとか色々とご苦労もあったと思います。その辺りの話を聞かせてくださいますか。

 

川瀬:最初は体育館などの施設を借りるのが特に大変でした。京都には京都府体育振興会というのがあって、そこが基本的に小学校の体育館をそれぞれの地域で仕切っているんです。なので、体育館を借りるのも校長先生に言ったら「体育振興会の会長に言ってくれ」って言うし、会長の所に言ったら「校長先生に言ってくれ」と。ぐるぐる回されるんです。

 

宮城:わかります。責任所在が変わるのは「あるある」なんですね。笑

 

 

川瀬:あとは、一つの小学校を借りるには他の小学校の人が来ていいのかとか、そういうことを言われまして。結局は、その小学校の人が半分以上いたらいいっていうことにしてくれて。施設は借りられるようになったんですけど。でも、実際にたくさん貸してもらえても指導者がいないという問題もあったります。

 

うちでは、リトルクラスというのが幼稚園、キッズクラスが1、2年生。スポーツクラスが3〜6年生。それとは別に、バレーをやりたいという保護者の声を拾ってバレーボール専門クラスとありまして。

 

あとは、どこでもある問題だと思うんですけど、小学校でバレーをやっていても中学校で男子バレー部がない事も多いのです。なので、地域総合型スポーツクラブという名前の中で中学生のバレー部も作りました。

 

宮城:サッカーのような一貫指導という形ですか?

 

川瀬:サッカーはその辺の先駆けというので、サッカーの真似ではないですけど、でもいい所は盗んでいかないと思ってやっています。バレーはその辺が遅いですから。

 

宮城:この仕事をするようになって感じたことがあるんですけど。サッカーはサッカーで人口が多すぎる弊害が実はあったりします。教えたい人、指導者もたくさんいますが、これが要因で取り合いになったりもするんですよね。

 

でもバレーボールされている方だと、そもそもニーズや必要性がある。子どもたちはやりたいのに、指導者がいないとか、場所がないという問題がありますよね。別の問題ではあるのだけど、バレーボールのほうが建設的な悩みというか。サッカーだとけんかになってしまう事も多々あるので。

 

「クラブか?」、「部活か?」というような話がしょっちゅうですね。これってスポーツの話なのに凄くもったいないと感じるわけです。大人の事情ではあるんですけど、こういうことが少ないほうが子どもたちにとってもいいのかなと思うのです。

 

ちなみに現在、川瀬さんのクラブで一番人気の事業ってなんですか。

 

川瀬:スポーツクラスが一番部員が多いですね。40名定員いっぱいで、待ちが発生している状況ですね。いろんなスポーツをしていて、今はマラソン、駅伝の時期で大会に出場しますので、基本的には走ることをメインにしています。2月にはバレーボール大会があるので、この2カ月間はほとんどバレーをするという感じで。

 

宮城:なるほど。シーズンごとに種目があるんですね。

 

川瀬:そうです。その目的は、何をしたらいいか分からないという人。サッカーが好きとかバレーが好きとかではなく、とにかく体を動かしたいという人がどんどん入ってきています。

宮城:これってアメリカでは主流らしいのですが、まさか京都でこの話が聞けるとは思わなかったです。実は、沖縄には基地があってそこにアメリカンスクールがあるので、日本でいう体育や部活動なんかは、シーズンごとに競技が変わるんですよね。

 

日本だと、サッカーならずっとサッカーしたいっていう子と、何でもいいから体を動かしたいっていう子が別々に存在するんですけど。不思議なことに、基地の中の学校ではシーズン制の活動をやっているけど、ずっとサッカーをやりたいっていう子が、うちのクラブとかで放課後はサッカーをやっているという「逆パターン」の子もいたりするんです。

 

日本教育の中で海外のようなカリュラムで作られているのが珍しいというか。沖縄ならアメリカの感覚も存在するので、実現できそうだとは思っていたのですが、それを京都で実施していることに驚きましたね。

 

川瀬:そうなんです。でも、喜んでいる子もいれば、そうでない場合もたまにありますね。例えば、6年生の女子は走るのが嫌いでして、それで、マラソン大会の日に1人が出場しなかったら「あ、あの子が出ないなら私も出ない」って連鎖になってくるんですよ。笑

小さいですけど、そういう悩みもあります。40人中

10人ぐらい6年生がいるんですけど、今度もマラソン大会も女子だけ出ないみたいな。笑

 

 

宮城:そういうコミュニティ的な感じが、一つの学校みたいになっていますね。放課後の居場所というのは、どこも問題としてありますね。

 

川瀬:今はまだ放課後までといかず、現状は土日だけなんです。放課後にやっているのはバレーの専門クラスだけなんですよね。あとは、放課後の小学校を貸してくれと言っても貸してくれない現状があるのと、夜だと子どもが危ないというのがあるので。

 

宮城:でも、週末だけでそれだけの人数が集まるということは、生活的にはご両親が週末もお仕事されているという部分があるんですよね。

 

川瀬:そうですね。

 

スポビジ大学を知ったきっかけとは?

 

宮城:もう少し踏み込んでお話を伺いたいのですが、こういったクラブを運営、経営していく中で、僕のサービスに出会うことになったと思うんですが。実際に何かきっかけになる事があったんですか。

 

川瀬:はい、実はクラブが収入的にしんどいというのがありまして。地域総合型スポーツクラブを調べると、みんなそもそものサービスの価格が安いんです。年間1000円とか、1回につき500円とか。そんなのはしんどいので、地域総合型スポーツクラブといえども、しっかり料金はいただかないといけないというところで調べていたら、宮城さんにたどり着きました。今までスポーツはプレーばかりで、ビジネスの勉強をしたことがなかったので。

 

宮城:これは、メルマガですか、それともブログを見ましたか。

 

川瀬:最初はメルマガですね。

 

宮城:なるほど、そうなんですね。実は関西圏には僕のお客さんがとても多く、実際に僕もお会いしたことがないお客さんも関西にはたくさんいるんです。関東だと千葉や神奈川が多いのですが、何か特徴があるのかなと考えてみたら、スポーツができそうな環境というか、生活的にも必要されているような共通項があるのかなと考えたりもしたのですが。

 

でも、そうは言っても、実際に多くの人は情報を得ても行動に移す方が数パーセントですよね、これってどの世界もそうだと思うのですが、実際に川瀬さんが行動に移すきっかけは何だったのでしょうか?

 

川瀬:はじめは、サラリーマンをしながらこの活動をしていたんですけど、サラリーマンを辞めてスポーツクラブだけで行こうと決めたときに、やっぱりお金のことを知らないと収入もなく続けられなくなります。それで、いろいろ調べて宮城さんの所を見たら、スポーツだけじゃなくてビジネスの勉強の話も多かったんです。それですぐに入ったと思います。

 

値上げが成功した事例

 

川瀬:印象的だったのは「会費を上げたほうがいいよ」っていうのが一番でしたね。値上げの話。それで、思い切って値上げをしたんです。それでどういった反応がくるか怖かったんですが、会員さんからは、これだけやってくれているからというので、なんの反論もなく上げられたのが大きいです。

 

宮城:スムーズに値上げができたということですね。

 

川瀬:ちょうどいいタイミングに、小学校の体育館も定期的にお金を取るようになったんです。そこにうまいこと、京都市からの施設利用料が必要になったことに伴い値上げをさせていただくみたいなことを理由に、月会費を2倍にできたことが大きいです。

 

宮城:それはお役に立てて嬉しいです。実は、本当に単価を上げることって、スポーツビジネスにおいては生命線だと僕は思っていまして。なぜなら、これまでのスポーツクラブのビジネスモデルって単価を安くしてたくさん人を抱え、広告やスポンサー企業と相対峙する方法と、助成金や補助金をもらって活動するという二つの方法しかなくてですね。

 

広告やスポンサーに関しては、抱える人たちを、例えば1万人とか維持できれば、スポンサー側としても魅力的に思えるんですけど、助成金の場合は取れる、取れないのリスクがありますよね。

 

1万人の管理をするためにスタッフを入れたしても、次年度の助成金がなくなってしまったら潰れてしまうというのを実際に見てきたので、なるべく自分たちでも自主財源を上げられるようなモデルは絶対に必要だと思っていました。

 

そのための打開策が、一番単純で、かつ速いのが値上げだったのです。

 

川瀬さんの場合、「単価を上げます」と言って文句がでなかったということはもはや成功ですよね。これが第一段階。次は、今やっている事業に対してサービスのメリットなどの価値をさらに付加価値として伝えることをすればもう一段階値上げをすることができます。

 

今の商品をベーシックな商品にして、「まさか買うわけないだろう」と思うような個別レッスン的な高額商品を置いてみたら、実際に欲しい人はいて。結果売れちゃうみたいな事って普通にあるんです。

 

そういう方法で会社全体の売り上げをあげていけば、やることは変わらないけど、単価が上がるということは利益が残るということなので、その利益を使って広告費に当てるというサイクルまでいけば、いい感じで循環するパターンですね。だって、結局「集客」にはお金がかかるわけですから。広告費という。皆さん、この真実を伝えると途端に「耳を塞ぐ」のですが。

 

でも、こうして利益が出る体質の会社を作って、出た利益を上手に運用して「新しいお客さんを集める」そうしながら人材を増やしていく。これは、スポーツだけでなく全てのビジネスの王道なんですね。

 

川瀬:うちもぜひそうしたいですね。教えていた子たちが中学2年生になって、そこそこバレーができるようになってきて、恐らくバレーで進学するであろうという子が何人かいるので、そこをアピールすれば、個別のレッスンも売れるでしょうし。

 

宮城:価値が上がりますからね。

 

川瀬:もう次の段階に来ているかなと、今は思います。

 

スポーツコンサルタント養成講座を受講した理由

 

宮城:実は、他にも川瀬さんにはもうひとつ伺いたい事がありまして。それは、スポーツコンサルタントの養成講座に参加された時の話です。正直、結構な金額だったと思うのですが、それを受けたいと思うきっかけはそこにもありますか。

 

川瀬:会社を辞めて、スポーツで食べていくと決意したので、経営の勉強をやりかけてはいたんです。でも、実際どこからどうしたらいいのか分からないというのがありました。実際に案内のページを確認した時に、それまでにメルマガとかも日々見ていた事もあるのですが、同じようなことをされている方が受講者にもたくさんいらっしゃるというので。それなら自分にもできるかと思って、参加させていただきました。

 

宮城:実際に学んでみて、どうでしたか。

 

川瀬:知らないことがとにかくたくさんありました。実際、コンサルだけで食べて行こうとは思っていないんですけど、それを勉強したことによって、これからビジネスをするうえでかなり良い知識を得ることができましたね。それを、自分のクラブにも活かせるなと。

 

宮城:実際に経営者って、自社をコンサルする立場ですからね。

 

川瀬:はい、まさにそういう感じで勉強させていただきました。早く社員を入れて教育していきたいと思っているのと、3月に「放課後等デイサービス」というのを立ち上げる予定で動いていまして、そこでは、身体障害や発達障害を持っている方にもスポーツをやるというので動いているのですが。

 

それで、社員として保育士の方や福祉の方を雇うことになるので、そういう中枢になる方にも、経営というか、ビジネスを含め教えていきたいという事もあったので、そういう人材育成という側面からもですが、自分も経営者として、もっと勉強していくために養成講座でのコンテンツはとても役に立っています。

 

・・・・と、インタビューの途中ですが記事はここまで!

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※川瀬さんのインタビュー記事の全文は、1月号のサンビリーフマガジンに掲載しております!

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