from 宮城哲郎
「ブラジルで見たプロスポーツクラブ、それに憧れて、故郷の沖縄でもそんなクラブを作りたい…」
僕がスポーツビジネスという分野で起業したのは、こんな単純な動機だった。もちろん、最初からうまくいったわけではない。
それでも、僕には自信があった。小さなチームだったけど国内外でプロのサッカー選手という経歴もあったし、テレビやラジオに出演したり、地元沖縄のバスにドでかく僕の顔が載っている時期もあったから。
日本代表選手の様に有名な選手では無かったかも知れないけど、それでも多少なりとも活躍はしていたという自負もあったので、そういった経験と実績さえあれば、当時は「必ず上手くいく!」そう確信していたんだ。
何をやってもうまくいかない現実を前に、何度も辞めようと思った。銀行口座を見る度に「来月の家賃は大丈夫か?」、「子供の保育料は大丈夫か?」そんな事ばかり考えていて夜も眠れない日々が続いた。
こんな時に、家族や仲間の存在はありがたいものだった。妻からは「あなたなら大丈夫!」といわれ、仲間達からは「僕達もついていきます!頑張りましょう」いつも、そうやって励まされていた。
本当にあり難いし、この時に支えてもらってなかったなら今は無かったかもしれない。でも、当時はそんな優しさすらも物凄いプレッシャーに感じていた。
慣れない手つきで徹夜で作成したサッカー教室と書いたチラシを、プリンターで夜な夜な印刷をして、「お願いします」と頭を下げて通りかかる人達に配布したのにも関わらず、お客さんは誰一人として来ないという経験だ。
正直、プライドはズタボロだったし、正直、恥ずかしくて仕方がなかった。だって、そんな「お願い営業」なんて今まで経験した事も無いし、自分の得意なサッカーだったら、そんなことしなくても勝手に口コミで人が集まると信じていたからだ。
でも、それでも応援してくれる人達の為に頑張ろうと思って恥を承知で続けた。いま思えば「最初はこんなもん」そういう思いもあったからかもしれない。
しかし、更に追い打ちをかけた出来事が起こる
配布先の公園で「あなたの会社のチラシが捨てられているから困っている」という内容の電話があった。要するに苦情だ。電話越しに聞こえるおじさんの声が物凄い怒声で、ハンパなく怖かったのを覚えている。
僕は急いで車に乗り公園まで向った。そして、恥ずかしさをこらえながら、それを急いで回収してまわった。そう、このチラシは僕が慣れない手つきで夜な夜な作ったチラシだ。
「このチラシを撒く事で状況は必ず変わる」そう信じて作ったチラシだ。でも、そういう想いとか希望みたいな物はあっけなく踏みつぶされた瞬間だった。
その時の状況といったら…言葉にはできない。正直、あれほど惨めな想いは後にも先にもなかった。
しかし、それでも、応援してくれる人達の為になんとか頑張ろうと必死だった。収入はゼロだったのでバイトを2つ掛け持ちして家計をやりくりしながら生活を切り盛りした。
なにか、チャンスがあればと思い、場違いな異業種交流会にも片っ端から参加したりもした。新入社員が着る様なスーツを着て、これまた家のプリンターで刷った名刺を持って、たくさんの人達に自分をアピールしてきた。
だけど、それでも全く成果は出なかった。さすがの僕も…
もう「辞めようかな」そう、心が折れそうになった。
ある会社のおかげで(名前を出して良いのか分からないので…)、最近では日本でもかなり広まっているが、実はサッカー選手時代、ブラジルに住んでいた時にお世話になっていた、日本人の経営者がいたのだけど。
その人いわく、自身のビジネスを拡大させた理由は「マーケティングを実践していたから」と話してくれたのがきっかけでマーケティングという分野に興味を持つ様になった。
僕が、起業した事を知って色々アドバイスをしてくれたのだけど、何をやっても上手く行かない僕を見かねて、その際に教えてくれた事が「ダイレクトレスポンスマーケティングを学びなさい!」という事だったのだ。
それを機に、僕はマーケティングに関する事をネットで調べて、本を購入し、お金が無くて買えない時は本屋で立ち読みをして、その業界の権威を調べて、片っ端から実践していった。
現在のように色々な業界に応用されていなかったので、正直、見よう見まねで、自分で何度もテストをしながらだったのだけど、続けていくうちに徐々にお客さんが増え、それなりの収入を得ることができた。
今では、有り難い事にたくさんの人達に囲まれ、活動も沖縄だけでなく、県外、国外と幅を広げ、スポーツというツールから色々な種類の事業が生まれ、色々なニーズに合わせてどんどん活動の幅も大きくなってきた。
スーパーやコンビニを歩けば、僕の作ったスポーツクラブのシャツを着た子供達に会い、街をあるけば会員さんに声をかけてもらう事も日常的になった。
テレビや新聞、雑誌等のメディアの取材も受ける様になった。しかも、国外からも。それによって、より多くの人達の賛同を得る様になり、更に色々な広がりを見せ、とても忙しい毎日を過ごすようになった。
周りを支えてくれるスタッフも物凄く優秀な人達ばかりで、会社の「ミッション」や「ビジョン」を共有してくれていて、この人達の活躍のおかげで、何も無かった時代の頃に比べると、随分色々なところで僕らの活動についての評価を聞くことになった。
スポーツクラブの活動だけでも、これまで延べ30万人以上の人達にスポーツという手段を通じて関わる事が出来たし、例えば、こうした実績のおかげで、僕は様々な地域で「スポーツビジネスのコンサルタント」としての仕事のオファーが届く様になった。
あなたもよく知っている様な著名人との対談、講演会の講師としても多くの場所で登壇する機会を頂いた、スポーツ界でちょっとした有名な企業の依頼や、世界的なサッカークラブの事業も手がける事になった。
この手紙を書いている今、この瞬間もこのようなオファーは頂いている。毎月、2、3度は、どこかの土地にいって、大好きな「スポーツビジネス」について語り、そして多くの人達と出会いまた新しいビジネスチャンスをもらっているのだ。
これも、すべて自分のビジネスに「マーケティング」という概念を取り入れ、そして試行錯誤しながら実行してきた結果だろう。
でも、なにより一番嬉かったのは「クラブがあるおかげで生きがいを見つけました」と言ってくれる人達がたくさん現れた事だった。
僕等が提供している活動をきっかけに、スポーツに触れ、それが自分のライフスタイルに組み込まれる中で、同じ様な価値観を持った人と出会うようになった。
そして、多くの人達との出会いや繫がりはスポーツで得られる以上の価値を手に入れる事に僕は驚いた。そうやって、目の前の人が喜んでくれるのを見ると、現場で働いている僕等もこれまで以上のやりがいを感じる様になった。
このことは、僕自身が真に求めていた…「好きな事を仕事にし、理想のライフスタイルを実現する」というものを手にいれた瞬間だったのだ。
当時は、スポーツを仕事にするという発想は、「プロスポーツの世界と関わる事以外は実現するのは難しい。」そう言われていた時代だった。なぜなら、誰もその方法を知らなかったから。だけど僕は、10年という歳月をかけてなんとか形にしたんだ。
そして、それを多くの人達に伝える事で、その人達にも「自分の好きな事を仕事にし、理想のライフスタイルを実現する為のサポートが出来ないか?」と、同時に考える様になった。
それを即座に行動に移した僕は、同じ様にスポーツを仕事にしたい人、またはすでにスポーツを仕事にしている人達に向けて、僕のこれまでの経験やノウハウをまとめて伝える活動をするようになった。
すると、今度は起業したての頃の僕と同じように悩んでいた人達から感謝の声を頂ける様にもなった。これは僕にとって新たな財産となった。
今では、この人達と一緒に交流し互いの持つスポーツという手段を用いて面白い企画や事業を興したりしている。そして、結果的により多くの人達にとっても幸せな出来事になったのだ。
この様な体験があるからこそ、僕はいまこの手紙をあなたに書いている。そして、僕がこれまで心に秘めていた想いを書いている。
もっとスポーツビジネスは、仕組み化されるべきだという想い。
もっとスポーツで飯を食える人間が増えたらいいのにという想い。
もっとスポーツで、たくさんの人達を笑顔にする役目を持った人が増えて欲しいという想い。
このスポビジ大学では、僕が10年間かけて実践してきたスポーツビジネスのノウハウや、起業当初、悩みながら情報を模索していた僕と同じ気持ちのあなたに届けたいと思う。
ひとつひとつが、あなたにとってのレアな情報源となるようスポーツビジネスに特化した「ここだけの情報」をお届けするつもりだ。
僕は、スポーツという手段を用いてビジネスを作っていける人達の事を「スポーツ起業家®」と名付けた。なぜならスポーツ起業家が増えていけば、上記で話した僕の「もっと〜」の実現により向かっていくと思ったからだ。
べつに単純な動機だって構わない、この小さなあなたの勇気から、理想の人生が生まれると思うし、
その為に僕はこのスポビジ大学を作ったんだ。
ここでは、あなた自身が持つスポーツのスキルや経験、知識を持って起業する為の方法や、考え方などをお伝えしている。
だから、 もしも、あなたがスポーツという分野のビジネスをやっている、または、自分のこれまでの経験を活かしたい、もっと自分の納得する様なライフスタイルを築きたい、そう思うのならきっとお役に立てるはずだ。
僕は今回、あなたに対して過去の苦い思い出をお伝えした。その理由は、きっと僕のこの経験談が、あなたの行動のきっかけになると思ったからだ。
今回お話しした事がきっかけで、スポーツ起業家として活動された貴方と一緒に、スポーツを通した関わりが生まれるのを楽しみにしている。
次は貴方の番だ!
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