From:宮城 亮(たすく)
皆さんこんにちは。宮城亮です。
本日は台北行きの機内からお届けしたいと思います。
今回の仕事は、日本国内の総合型地域スポーツクラブと台湾との交流事業の打ち合わせがあり、台湾に向かっているところです。国内の総合型地域スポーツクラブもドンドン活動が活発になり、ついには海外進出を果たすクラブまで出てきています。来年も益々楽しみですね!
そんな国際的に活動の幅を広げていきたい総合型地域クラブの代表の方、ご連絡待ってます。
では早速今日のテーマについてお話しします。
今日のテーマは「総合型地域スポーツクラブの問題点とは?」というタイトルです。
総合型という名前問題
総合型地域スポーツクラブという名前。そもそもその「総合型」という名前に、僕は疑問を持っています。
分かりやすく言うと「総合型」とは、「デパート」と同じ意味を持つわけです。
例えば、あなたが新たに小さくビジネスを始ようとした時。
自分の得意な分野をまずは徹底的に売り出すことが基本ですよね。
その場合、ざっくりと「お菓子屋さん」や「ケーキ屋さん」では、なかなか差別化ができませんが。
「アップルパイ屋さん」「スコーン屋さん」という様に、自分が得意なことをメイン商品にした上で、
『アップルパイといえばあのお店だよね!』
という風に、まずは消費者に印象付けることが、先決だと思うんです。
だって、数あるケーキ屋さんから、あなたの得意とするアップルパイを販売するためには、まずはアップルパイ屋さんとして確立させていくことが効率が良いわけですからね。
そしてそこから、波及するようにして
「あそこのアップルパイ屋さん美味しかったから、次はパンプキンパイも買ってみよう!」
「アップルパイに合う紅茶も買ってみよう!」
という風に、その他の商品も次々と買ってもらえる様になっていく。
最初から「あれも売ってます!これも売ってます!」では、差別化で重要な「印象付け」ができないわけです。それだとどうしても選ばれにくいんですよね。
総合型という名前は、まさにそうで。
お菓子屋さんやケーキ屋さんとざっくりPRするどころではなく、さらにその上の「デパート」のようなものを、いきなりオープンさせることと同じなんです。
自分達が自信のある「アップルパイ」だけではなく、デパートと言っているのだから、別に好きでも得意でもない「冷蔵庫」や「洋服」も販売しないといけないわけです。
そうなると、一応商売しているのですから、家電の知識も、洋裁の知識も、食料品の知識もいきなり身につけなくてはいけません。
そう言ったデパートのようなビジネスは、基本、薄利多売のビジネスなので、比較的大きな会社がすることです。
なぜなら「なんでも売っています!」とPRすることは、たくさん集客しなくてはいけませんからね。集客にはCMを出したり、広告を出したりして、何でも揃うというメリットで商売をしているわけです。
となると、一気に専門性がなくなるので、薄利多売のビジネスになってしまい、結局大手が一人勝ちするわけです。
それと同じようなことが、総合型地域スポーツクラブで起きているというわけなんです。
自分が自信のあるサッカーの指導なら月会費5,000円取れるのに、自信のないバドミントンの指導や、テニスの指導も、バスケの指導もしなくてはいけない。それならサッカー以外の会費は500円で!
というふうになってしまいます。笑
それでもっと悪いのは、せっかく自信のある種目(サッカー5,000円)でも、この価格差を見ると何だか高く感じてしまいますよね??そうして、結果自信のある種目もつられて価格を下げざるえなくなるということです。
特に、総合型と言うネーミングに引っ張られるクラブほど、安価で幅広い種目を受け放題にするなどして、トータルで月会費5,000円とかで運営している。
このように、デパートのような薄利多売な総合型地域スポーツクラブの会費は、全国的にかなり安価に設定されています。
地域と言う問題
あなたが「総合型」というデパートを開くのは、100歩譲ってよしとしましょう。(よしとするんか!)
しかし、この「地域」というのが着くことで、この「地域」のニーズにあったデパートにならなくてはいけないというのがさらなる問題です。
上の例で説明すると、地域のニーズを調査したら、「家電」と「洋服」そして「餃子」が売れそうだ!だからアップルパイは特に作らなくてもいい!ということになります。
せっかく自慢のアップルパイを食べて欲しくてお店を出すのに、地域の人から求められていなければ、そもそも作ることができないのです!
もちろん明確に「ニーズがないものをやってはいけない」というルールがあるわけではありません。しかし、特に少子高齢化などが進んでいてる地域だと、どうしてもそうならざるを得ない状況があります。
かといって多くの人が、NPO法人の様に地域課題の解決を目的にクラブを始めたわけではありません。この辺りにも様々な問題があります。
自分が好きなことだけをすると総合型地域スポーツクラブではなくなるし、自分がやりたいことができる地域に行く!というのもなんだか違う感じだし。。。という話をよく聞きます。
この辺りのジレンマは、あなたも感じているかもしれませんね。
組織のあり方を考えよう
ひと昔前に流行った、ピコ太郎のこの名曲。
I have a pen
I have a apple
Apple pen !!
I have a pen
I have a pineapple
Pineapple pen !!
Apple pen … Pineapple pen …
Pen-Pineapple-Apple pen !!
最近うちの4歳の子供でも歌うこの曲。
歌詞がシンプルだし、ただくっつけていくだけで、かなり面白い(笑)
これを聞いててふと思ったことがあるんです。
「総合型地域スポーツクラブ」も一緒だなぁ~
(それでは曲にのせてるイメージで読んでください!)
街に公民館~♪
僕のサッカースクール~♪
アッ~!!公民館サッカースクール♪
公共施設~♪
よくいる卓球サークルのおじさーん♪
ウッ~!!公共施設の卓球のおじさん♪
公民館サッカースクール… 公共施設の卓球のおじさん!…
卓球おじさんー公共施設ー公民館ーサッカースクール!!
・・・。
ゴロが悪すぎ(笑)
何が言いたいのかというと、総合型クラブって言いながら、会員はそれぞれのサークルだけに参加している状況で、その複数のクラブが同じ名前を名乗り、助成金をもらうためだけに、くっついているという状況なわけです。(これを総合型地域スポーツクラブのPPAP現象と語ることにする笑)
これって本当の総合型クラブって言えないのではないか?ということですよね。
助成金が切れたタイミングで、これらくっついてたクラブが、元の通りに離れ離れになったという話をよく聞きます。
そうではなくて、一つのクラブとして活動するなら、他のサークルや教室の会員同士が顔をあわせることができ、サークルや教室以外でもコミュニティができ、クラブを通じてまた新たなコミュニティができていくなど、競技種目だけではなく、やはり同じ場所や空間を通じて会員が交流することができるのが理想です。
もちろんクラブハウスを持っているクラブさんであれば何の問題もないと思いますが、上記のように公民館での活動もしている、公共施設でもしているという状況になると、なかなか交流することができません。
そうならないためにも、クラブハウスを持っていないクラブは、何とか工夫して会員が交流できる機会を多く作っていく必要があります。
僕が設立したサンビスカス沖縄と言うクラブでも、会場が違うスクール同士の交流大会、年代が違う同士の交流がはかれるキャンプなどのイベント、保護者同士が交流できるような健康教室、会員全体が集まれる正月イベントなど、手間はかかりますが、スタッフが協力してやってくれています。
なぜこのようなことをするかというと、それぞれの競技だけでは地域課題の解決ができないからです。
やはり自分が好きな種目のサークルに参加している会員は、地域の課題よりまずは自分の楽しい時間を目一杯楽しみたいはずです。
そこで、その時間は目一杯楽しんでもらい、交流イベントなどの機会を作ることで、他の種目をしている会員と体力を比較できたり、顔なじみになることで地域の子供達をみんなで見守れる環境になるわけです。
みんなの楽しいスポーツ活動をつなぐ時間や場所で、地域課題にアプローチできるのが総合型地域スポーツクラブのいいところだと思います。
同じクラブの会員でも顔も名前もわからないというのはやはり寂しいと思います。。。
このように、安価な価格で、苦手はことに取り組み、助成金をもらうためだけの仲間とクラブをやっていくのは、持続可能なクラブ経営ではありません。
では今後、このような問題にどう取り組んでいけばいいのか?
それはまた時間があるときに書きたいと思います!
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