スポーツで起業する前に知っておきたいスポーツサービスの価格設定

スポーツ起業の仕方

スポーツコンサルタント/ビジネス戦略コーチ

宮城哲郎

 

さて、今日のタイトルテーマにも関わらず、記事を開いたあなた。おめでとう。

きっとあなたは、スポーツサービスの経営者として、物凄くセンスのある人だろう。

 

なぜなら今回のテーマでもある「価格設定」という内容は、物凄く地味なテーマだからだ。

 

そもそも多くの場合、スポーツ起業と考えた際に、まず最初に浮かべるのは・・・・

 

「どういったサービスを展開していくか?」

「どんな立地で活動するのか?」

 

なんてことを考えるものが一般的で、その次ぐらいに、「ではどうやって集客をしようか?」という風に考える人が多いわけだが、どうやらあなたは経営が何たるかを分かっているようだ。

 

 

さて、そんなあなたにだからこそ、断言したい。

 

僕らのような無形型のサービスを取り扱っている存在にとって、この「価格設定」というのは、物凄く重要なテーマであると言っても過言ではない。

 

「値決めは経営」

 

そう語ったのは、元京セラの社長でもある稲盛和夫氏なのだが、あなたのサービスに一体、いくらの値付けをするか?これは人を介すことの多い「スポーツビジネス」において、超重要な課題でもあるのだ。

 

 

あなたは価格をどのように決定している?

 

さて、多くのビジネスでは、価格を決定する際には「自分の周りの競合と比較して、それに合わせるような形で決定することが物凄く多い。

 

例えば、あなたがスポーツ教室を経営されるとして、周りが4,000円なら、4,000円。

5,000円なら5,000円という風に値段を決定することだろう。

 

もしくは、ライバルの値段より少し安くつけたり、その逆で少し高く設定したり・・・という事かもしれないが、とにもかくにも、基準は常に先に経営している「周りにライバル」であるということがほとんどだと思う。

 

もちろん、それを否定するつもりは全くないが、この決め方をするにあたり、実は大切なことを忘れている事を多くの人は気が付いていない。それは、何だと思う?

 

そう、自社のビジネスでかかる「コスト」についてだ。

 

自分の事業にいくらかかるのか?

例えば、あなたのスポーツ教室の会費が、1人5,000円だとしよう。

 

10人の生徒がいれば、毎月、50,000円。

20人の生徒がいれば、毎月、100,000円の売上が入る。

 

そして、ここからが重要なのだが、その入ってきた100,000円の中から、あなたは事業を継続させるための費用を捻出することになる。

 

教室の会場代、備品、など、実際に教室に使用するコストもさることながら、事務所を持っているのなら家賃も出るし、光熱費も必要になる。

 

他にも、集客を考えるのであれば、ポスティングの費用に、そもそものチラシの制作費、印刷代などもかかるかもしれない。

 

もちろん、この出ていくお金(支出)は、人それぞれで違うだろう。事務所を持っていない人は、家賃も出ないだろうし、施設も利用しないのであれば、施設代も必要ないからも知れない。

 

だが、ここからが重要なのだが・・・

 

このようにビジネスで必要な経費が、ビジネス毎に違うはずなのに、不思議と価格は、ほとんど横並びなのにはオカシイと思わないだろうか?

 

周りが、5,000円だから、自分たちも5,000円程度の価格にするという考え方ではなく、あなた自身が事業をしっかりと継続させていくために、一体、いくら必要なのか?

 

これを最初でしっかりと計算した上で「価格設定」をする必要があるということだ。

 

価格設定の3つポイント

それでは、あなたが自社のサービスの価格を設定する為のポイントを以下で解説したいと思うので、ぜひ、参考にして欲しい。

 

①欲しい利益

まず、あなた自身が毎月、どれだけの利益(実際に手元に残るお金)が欲しいのかを考えてみよう。

ここでは、いきなり「月に100万円」という感じでざっくりと設定するのではなく、今の状況下の中での「現実的に残せそうな金額」から意識すると目標を達成しやすいだろう。

もちろん、自分の理想の利益から最初に設定しておいて、それを目指した事業を作るのもOKではあるのだが、事業の成長と共に、利益目標値を高くする方が、ポジティブに目指せるので良いと思う。

 

② 客数のキャパ

僕らのような業種には、客数に上限が必ず存在する。そうであれば、その上限を意識した価格設定を考えることも大切なポイントとなる。

1人で、100名を相手にできる場合と、10名しか相手にできない場合であれば、価格は当然ながら変わってくることを覚えておこう。

①のポイントでもある「欲しい利益」と照らし合わせると、よりリアルな金額になるので、関連づけて考えて欲しいと思う。

 

③ 出ていくコスト

もしも、毎月10万円の支出が決定しているのであれば、当然ながら、最低でも10万円以上の売り上げを確保できるような価格設定にしないとビジネスは続かない。

そういう意味では、自分のビジネスにかかる費用はいくらか?これをしっかりと算出することも大切だろう。

逆を言えば、例え売上が少なくても、かかるコストも少ないのであれば、その分だけ利益は残りやすいので、価格を設定する際には、同時に「支出管理」についても怠らないようにしていこう。

極端な話、支出がゼロであれば、ビジネスは潰れないからね。

 

以上、スポーツで起業したいと考えた際に、まずはこの3つのことを意識して価格設定をすることをお勧めする。

 

結局は価値を余すところなく伝えること

このように、価格を設定する際のポイントをいくつかご紹介したのだが、最終的には、あなた自身が設定した価格に対して、見合うサービス、価値の説明を行い、販売できるようにするということが、ビジネスの王道であることを忘れてはいけない。

 

最初から「とりあえず、値段さえ低ければ商品が売れて顧客は増えるだろう?」なんて甘い考えで起業してしまうのはNG。

 

このやり方だと、最初のうちは、値段安さにひかれてビジネスが回っているように感じるのだが、いつの間にか出ていくお金だけが増えていき、資金が枯渇して事業はストップしてしまうことになってしまう。

 

適正な価格設定を行い、その価格が正当であることを伝える努力を怠らない。

 

これこそが、長く、そして安定的にビジネスを続ける為の方法でもあるので、ぜひ、今回の記事を参考にあなたにとって最適な価格設定を行なって欲しいと思う。

 

それでは、頑張っていこう!

 

【注意 これを読む前にスポーツ起業してはいけません】

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