from 宮城哲郎
先週末、スポーツ経営者を集めてマーケティングのセミナーを開催した。
スポーツビジネスで事業を成長させたいのならば、あなたのビジネスでも「マーケティング」を行うべきだ!
そういった内容のセミナーだったのだが、その中で、参加者の一人が以下のような質問をしてきたのだ。
それは…。
「マーケティングって具体的に何をするのですか?」
という質問だ。
ちょっと、面白い質問だったので、セミナーの内容を一部変更して、それについて語ったのだが、その内容があなたの為にもなると思ったのでシェア!
世界的権威が語るマーケティングとは?
マーケティングをする目的については、あの有名なピーター・ドラッカーは。
「顧客について十分に理解し、顧客にあった製品やサービスが自然に売れるようにする事」※引用
※「マネジメント」ダイヤモンド社
そう伝えている。
世界的にも超有名な経営コンサルタントなので、このことに対しては間違ってはいないと思うし、実際に僕もそう認識しているのだが。
上記で挙げた質問でいうところの「マーケティングって具体的に何をするのですか?」という質問の答えに対して、ドラッカーの言葉を借りるとすれば。
↓ ↓
「あなたの商品やサービスが自然に売れるようにする事」
ということになるだろう。
ちなみに、問題は…。
そのドラッカーの言葉を、どう自分のビジネスに落とし込むのか???
しかーも、それをスポーツビジネスで、どのように落とし込むのか????
これが、何気に超難題というわけなのだが、とりあえず、商品やサービスが自然に売れるようになる状態にする事が、マーケティングの目的としてやるべき事だと、まずは押さえておいて欲しい。
ちなみに、そのセミナー内でも多くの誤解もあったのだが、以下のようなことはマーケティングとは呼べない。
例えば…。
・アップセル(上位版を売る)
・クロスセル(関連商品を売る)
・ローンチ(プロモーション)
・コピーライティング
・etc
などのような物だ。
これらは、「マーケティング」という概念を学ぶとよく耳にすることなのだが、これは全てセールスプロモーションと呼ばれるものであり。
「いかにして売りやすくするのか?」という視点から考えられたスキルやノウハウなので、商品やサービスが「自然に売れるようにする」というマーケティングという概念とは真逆の行為になる。
実際に、ドラッカーもマーケティングとセールスは真逆であるという解釈をしているようだしね。
ただ、ここまで話すと…。
「じゃ、自然に商品やサービスが売れるようになるってどんな時の事だよ?」
そう、このブログを読んでいるあなたに言われそうなのだが、次は、そのことについて詳しく解説しよう。
商品が自然に売れる?
ドラッカーの言葉にもあった「商品が自然に売れる」という状態。
そう言葉だけ聞くと、倉庫においてある商品が夜中に人知れず、お客さんの元を訪ねて、気がついたら売れていた状態を想像しがちだが…(してない?笑)
当然、実際にそういう怪奇現象のようなことはなく、、、笑
ここで言う「商品が自然に売れる状態」と言うのは、お客さんの方から、「この商品を売ってくれ!」と言ってもらう状態の事をさすと考えても良いだろう。
お客さんの方から「商品を売ってくれ!」なんて大量に言われる状態なんて、本当に最高の状態だろうしね??
でも問題は、この…
「この商品を売ってくれ!」
そうお客さんの方から、言ってもらう為にやることは何か?
という事になるのだが、これがわかってないと、あなたがマーケティングだと思ってやっている活動が無駄になる恐れがある。
周りが、「マーケティングやったら上手くいく」って言ってるのに、実は、マーケティングと思っていたことがそうではなかった…となるとね。(※考えただけでも恐ろしい。。。)
ちなみに巷には、色々な◯◯マーケティングという言葉があるのは御存知だろう。
スポーツビジネスでいう「スポーツマーケティング」はもちろんのこと、インターネットマーケティング、フェイスブックマーケティング、動画マーケティング、コンテンツマーケティング・・・
このように「◯◯マーケティング」という言葉だけが先行しているが、結局のところ。
その◯◯マーケティングをどんな目的で行うのか?
この部分が理解していないと、当然、結果は出ないはず。
そして、その目的とは、これまでの流れでいくと…
お客さんの方から「この商品を売ってくれ!」と言ってもらう状態を作ることなのだが、その状態を作る為に…。
「僕らは具体的に何をやるのか?」この部分が重要になってきて、そうなると次に考えなきゃいけない事とは…。
どんな時にお客さんは「この商品を売ってくれ!」と言うのか?
この部分を知らないといけないということだ。
顧客はどんな状態の時に「売ってくれ!」と言うのか?
そこで、僕は考えてみた。
どんな状態の時に、僕らは「無条件」で、その商品を購入するのか?という事を…だ。
お金の有無に限らず、その商品を購入してしまう時ってどんな状況なのだろう?
それをこれまでの人生の中で、考えてみた。
すると、一つのことが頭に浮かんだ。
僕が無条件が商品を購入した瞬間を思い出したのだ。
もったいぶっても仕方がないので、それが何かというと「医者から勧められた薬」だ。
最近、健康診断があって身体の色々な部分を検査したのだが、特に異常もなく、その日はそのまま帰ったのだが、後日、その診断書を見て驚いた。
その診断書には一体なにが書いてあったのか?それは…。
「胃に異常あり」という内容だ。
病院から届いた資料は、なにやら聞いたことも見たこともない言葉で書いてある。
意味不明なアルファベットに、数値、もうこれだけで不安は募る。
そんなこともあり、即日「再検査」の予約を申し込み、病院に再検査にいく事を決意した。
そして、後日、病院に再検査に行くことになったのだが。
「胃」の異常なんて、正直、実感もなく、もちろん私生活にも異常はないので、待合室ではかなりビビっていた。
本当に、頭の中で色々な事を考えた。。。
・もしも、自分の身に何かあったらどうしよう??
・残された家族は?スタッフは?
そんな恐怖が頭を駆け巡る。。。
しばらくして診察室に呼ばれたのだが、意外にもお医者さんは明るい表情だ。
「ん?先生の様子を見ると、命に関わるものではないのかな??」
なんて事を瞬時に想像。その時間、大体0.4秒ぐらい。
そして告げられた事は・・・・
「宮城さん、胃の中にピロリ菌がいますね。飲み薬で除去した方が良いですね。人によると言われいるのですが、放って置くと胃ガンのリスクがあるとも言われてます。どうしますか?」
という言葉だ。
もう、即答で「薬お願いします!」なんて言ってた自分がいた。
当然、お医者さんは僕に対して一切、売込みなんてしてない。
よくテレビの通販番組などであるような…。
「今なら、30名限定で20%オフ!!」とか、「期間限定で、更に2個追加!!」なんてことも、もちろん言われていない。笑
でも、それでも聞いたことのない薬を、副作用がどうだとか調べる前に、すでに購入していたのだ。
そして、この事をきっかけに色々と思い出したのだが、僕は過去にサッカーの試合中にアキレス腱を断裂したことがあり、手術を要したのだが、その時にも売り込まれてなんかいない。
いくら手術代がかかるのか?
何日間、入院するのか?
そんな事を考えてはいない。とりあえず「早く、この問題を解決してくれ!」という思いで一杯だった。
これぞ、まさしく「商品が自然に売れる状態」であり、医者(病院)のやっている事はマーケティングなんだと感心したものだ。
医者はなにをしたのか?
ここまで考えると、少しずつ見えてくるものがある。
それは「医者は僕ら患者に何をしたのか?」という事だ。
それがわかって、自分のビジネスに応用できれば、きっとマーケティングというもので「具体的に何をやるのか?」ということが見えてくる。
そして、僕は考えた。
医者は僕に何をしたのか??ということだ。
医者が僕に対してやった事は一つ。
「診断」だ。
1 医者は患者の起きている問題の原因を調べ、
2 その問題を患者が放って置くとどうなるのか?を伝え、
3 その為の解決策を掲示しただけだ。(今回は薬の処方)
自分の問題に気づいた僕は、当然、「その問題をなんとかしないといけない」という心理状態になる。
そんな時に、目の前に「その解決策(薬)」が掲示されたらどうだろうか?かなりの確率で、その商品を購入しようとするのではないだろうか?
という事は、僕らがやるべきこととは「目の前の見込客の問題の教育」だ。
具体的には…
1見込客の問題を明確にしてあげる
2その問題を放っておくと、どんなリスク起こるかを伝える
3その問題を解決する為の、手段を伝える。
これだ。
例えば、あなたがサッカー教室を開校していたとする。
(※ぜひ、自分のビジネスで考えて欲しい)
その時にあなたが、やるべき事は決して…。
「うちの教室は、◯◯が凄い!」
なんて事をPRすることではない。
なぜなら、これはマーケティングではなく「セールス」活動で売込みだから。
でも、きっとほとんどの人が「見込客」に対して、このようなメッセージばかりを発信しているよね??
それ自体が悪いことではないが、単に自分のすごさを強調しているだけで、中々、見込客には響きにくいのは目に見えている。
そうではなく、例えば…。
「なぜ、あなたのお子さんが、他の子よりも上手にボールが蹴れないのか?」
などのようなメッセージで問題提起し、そしてその理由を、訪れた見込客に対して、きちんと伝えてあげれば、、、
その後、高い確率で、あなたの教室に入会すると思わないだろうか?しかも、相手の方から欲しいと言ってくるだろう。
なぜなら、あなたは既に、目の前の見込客の問題を明確にし、その解決策を掲示しているアドバイザーという立場にいるからだ。
世の中の全ての商品やサービスは、誰かの「問題や悩み」を解決するために存在している。
だとしたら、どんなにあなたの商品やサービスが優れたものであったとしても、目の前の見込客が「自分自身の問題に気づいていない」としたら、当然だが売れない。
なぜなら、そもそも「問題を知らない」のに、解決しよう(商品を購入しよう)なんて思わないからだ。(※ここ重要)
商品という解決策を僕らは売りたいわけだから、当然の事ながら、見込客に対して「徹底的に問題を認識してもらう」必要があるわけで。
その為にやることがマーケティングなのだ。
なので…。
インターネットか?それともチラシか?
↑そんなのどちらでも良い。
ブログか?ウェブページか?
↑そんなのどちらでも良い。
フェイスブックか?インスタグラムか?
↑そんなのどちらでも良い。
重要なのは、どの方法であっても。
見込客に対してしっかりと「問題認識をしてもらい、その上で解決策をしっかりと掲示しているか?」ということが重要なのだ。
あとは、どんなメディアを使うかどうかというのは、あなたの見込客が、よく目にするメディアにすれば良いだろう。
巷で流行っているような、フェイスブックが良いとか、動画が良いとか、そういう事は実はただの手段であって、その本質的な目的は別のところにある事を理解してほしい。
それが分かれば、ブログを書くときも、チラシを作るときも、動画を作成するときも、商品を開発する時でさえも・・・
余計な事を考えずに、明確な目的を持って取り組めるのだ。
さあ、見込客が何で悩んでいるかを調べよう!
さて、そのためにはあなたは「自分のターゲットがどんな事で悩んでいるのか?」という事を理解していないといけない。
見込客が、現在、悩んでいることもそうだが、潜在的に悩んでいることも同様だ。
ドラッカーも言っているじゃないか?
「顧客について十分に理解し、顧客にあった製品やサービスが自然に売れるようにする事」※引用
※「マネジメント」ダイヤモンド社
ほらね?
最近ではスポーツ界でも、色々なテクノロジーや、技術、ノウハウ、関心ごとで、あなたに必要なのは「◯◯だ!」なんてアピってくるけど、
これは、売り手の戦略であって、必ずしも貴方に当てはまるかは別問題だ。
あなたにとっての最高の戦略は、あなた自身の顧客の事を「十分に研究する事」が、とっても重要なんだよね。
どうだろう?
ビジネスって上手くできてるな?と思わない?
結局は、お客さんの事を考えることが上手くいく秘訣なのだからね。
さぁ、早速あなたも正しいマーケティング活動を実践してみよう!
きっと、これまでやってきた事の「質」自体が、大幅に上がってくるのを実感すると思うよ??
それでは健闘を祈る!
PS なぜ、一部のスポーツ教室だけが、溢れるほど生徒が集まるのか?
その秘密を他に知りたい人は、他にいませんか?