From:宮城 奈津子
「現場を離れたいけれど、なかなか離れられないんです。」
そういった悩みを持つスポーツクラブ経営者の方は多いかと思います。
先日も、健康福祉関連のイベントに参加した際に、テニススクールを経営されている方とお会いしたのですが、やはり現場を抜けきれず、いつまでたっても現場を任せきれないという話をしていました。
スポーツクラブやスポーツ教室というのは「指導」が会社のメイン商品でもあるわけです。物販のように、いい商品がそこにあって、それを売るだけなら誰にでも任せることができるかもしれませんが、「指導」という商品は、良くも悪くも「指導者」によって大きく変わってしまいます。
なので、クラブを立ち上げた代表者並みの指導ができるまで、(商品の質を落とせないために)他の指導員に現場を任せられないというわけなのですね。
この冒頭の文章を読んだだけで、「あ!僕のことだ!」と思ったあなた。
そう、ズバリそんな悩みを持つあなたに向けて、今私は書いているのです。
今回、なかなか現場を離れられないあなたのためだけに、これからその「解決策」をお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
きっと、数年後に「あの時、ブログを読んで行動してよかったー!」と思うことになるはずですからね♪
それではいきましょう!
優秀な人ほど、仕事を任せられない事実
さて、現場を任せられないとおっしゃる方というのは、99%の確率で、その組織内で一番優秀な方です。
優秀だからこそ、次々とアイディアが思い浮かび、それを実行できる能力もあるので、行動したくなる。
だけれども、今の現場を離れると、売上が下がってしまうことが不安で、いつまでたっても現場を離れられない。
いつまでも現場を離れられないから、次の施作に取り組むことができず、良くて現場キープ。悪くて売上だけが下がっている。 そんな感じです。
優秀な人は、プレイヤーとしての経験も長く、バリバリ実務をこなしてきた経験は誰よりもあります。しかし、バリバリできるからこそ、大抵の仕事は一人でこなしてきたために、仕事を人に任せたり、振ったりすることには慣れていません。
大抵そんな方は、「自分でやったほうが早い!」と思ってしまい、自分だけがパタパタしていて、そんな姿を部下はただただ「なんだかいつも忙しそうにしているな。」としか思ってません。笑
それでは、いつまでたっても組織を動かす能力が成長しませんよね。
あなたがリーダーとして、組織を成長させるという任務を背負っているのであれば、あなた自身も成長しなくてはいけないということです。
その成長とは、リーダーシップや、マネージャーとしてのスキル。つまり、人に任せて、組織ごと成長させる、そんな能力が求められているのです。
そんな成長できる壁が、今あなたの目の前に来ている。それは、組織が次なる成長段階にきている証拠です。
「そんなことは100も承知だよ!」
・・・っていう声がちらほら聞こえますね。笑
では、なぜ今あなたは、部下に業務を任せられないのでしょうか。
その理由を考えてみたいと思います。
任せられない3つの理由
現場を離れられないということは、現場を他の人に任せることに対する、何かしらの「リスク」を感じているはずです。 それは一体どんなリスクなのでしょうか。3つあげたいと思います。
その1:自分でやったほうが成果がでるから
先ほども言った通り、任せられない最大の理由は、「自分でやったほうが良いから」なんですよね。
自分がやれば、お客さんも満足してくれているし、自分がやれば、質の良い指導もできる。顧客対応も私が一番把握している。 だから私が現場をやることが一番早い。そう考えてしまうわけです。
そりゃ当たり前ですよね?
創設者や代表者が、一番能力があるのは当たり前なんです。
それを、自分並みに成長させようと「背中を見て!」じゃ、いつまでも成長しません。
※「私の背中を見て!」というセリフを言っていいのはなでしこジャパンの澤穂稀選手だけです。
例えあなたが現場でやっていたとしても、その成果は最高で100なんです。200にすることはできません。
しかし、組織全体を使うことができれば、200にも300にもなり得るのです。
それは、会社が求めている数字ではないでしょうか?
100で止まるビジネスなら、持続可能ではありません。 だからこそ、あなたが今現場に止まるということは、成長をストップさせているということなのです。
その2:部下に追い抜かれるのが怖い
こういう話をする方は少ないのですが、実は心のどこかで思っている方もいるかもしれませんね。
「部下に人気を奪われるのが怖い。自分が必要とされなくなるのが怖い。」
そんな恐怖心です。
しかし、うちの代表の宮城は、それはそれは、あっさりと部下に人気を奪われました。笑
でも、それは勝手に奪われたのではなく、「奪われるための仕掛け」をしたのです。
それは、「スタッフを主役にする」ことです。
例えばスタッフさんの実績や、これまでやってきた経験を既存のお客さんにPRしたり、とにかく「素晴らしいコーチなんだ」ということを伝えることを意識しました。
ブログでも、SNSでも、ニュースレターでもそうです。一貫して、スタッフさんを主役にすること。ここにフォーカスしたわけです。
すると、だんだんと代表よりも、スタッフさんの注目度や評価が高まっていきます。
実際、そんなタイミングで現場も離れていった為、子供たちはスタッフさんのほうが会う機会も多いですから、次第にスタッフが人気者になっていったわけです。
だって、代表が欲しかったのは「人気」ではなく、「会社の成長」でしたから。
もしもあなたが、会社の成長より人気が欲しいのなら、今のまま現場にい続けることも良いんです。だって、好きなことを仕事にしてほしいですからね。
でも、会社をより発展させたいと思うのであれば、あなたの100だけでなく、スタッフさんの力も頂きながら200、300と成長させていくべきだと私は思うのです。
その3:部下に嫌われなくない
スーパーお人好しの私は(自分で言うな!)当初、この悩みがありましたね。
たったこれくらいの雑務、自分でもできるし、いいかな?って言って、自分でやっちゃうタイプっす。笑
小さい雑務くらい、スタッフさんに任せられたらよかったのですが、「これくらいの雑用ばっか頼んだら、なんだこいつ、ラクしやがって、って思われるかもな」 そうやって言えないパターン。(←だっさ。笑)
でも、これもうちの代表に言われたことなのですが・・・
「明日お前が倒れたらどうするんだ?」
そう言われたことがあるんです。
自分しかわからないことだらけで、今私が倒れたら、会社も共倒れしてしまう・・・?
その時ハッと思ったんです。
「いつまでも自分が倒れないことを前提に仕事をしていた」ことに。
期待値だけでビジネスをつくるのは、今のスタッフさんに対しても失礼だし、そんな脆い組織にしてはいけない。私はその時本気で思えたんですよね。
そうすれば、例え雑務だったとしても、責任をもたせて任せることで、自分がいなくとも回るようにしておけたら、スタッフさんもやりがいを持って取り組んでくれます。
でも、どんな業務を抱えているかなんて、スタッフさんは知りませんから、どんどん頼って、自分がいなくとも回る仕組みをスタッフさんに伝えながら、業務を分担していく必要があるんです。
まぁ・・・結局、自分次第だったってことです。(反省w)
任せれば自立するもの
任せられないということは、そもそも任せた経験がない場合も多くみられます。
しかし、不思議な物で、あなたが「本気で任せよう」と思ったら、スタッフさんも自覚を持って、自立していきます。
だって、その熱って伝わりますからね。
子育てでもそうじゃないですか?いつまでたっても身の回りの世話をして、「お母さんがいなくちゃこの子は何もできないんです〜」というよりも。
「そのくらい自分でできるでしょ?」とある程度放任していたら、その子は自分でなんでもホイホイこなしていきます。
そうやって自分でできた時に、とことん褒めるからこそ、子供たちは嬉しくなって、より自分のことは自分でやれる子に育っていきます。
いつまでも、任せないから、育たない。ただそれだけなのです。
なので、今ある業務のうち、あなたのスタッフさんができそうなことからでもいいので、任せてみてください。 任せきれないのなら、その理由を箇条書きにして、ひとつひとつ、潰していこうと、真剣に向き合ってみてください。
そうすれば、いつしかきっと、あなたが現場を離れたとしても、(そして一時的に売上が落ちたとしても)きっと100が200になりますし、300にもなりえますから。
変えたいのなら、まずは自分が変わろう
人を変えようとすると、非常に難しいものです。
人を変えることはできませんが、自分を変えることはできますよね?
だとしたら、まずはあなたのほうから、変わろうと努力してみてください。
その姿を、その努力を、きっと誰かが見ています。
あなたが変わることで、周りは必ず変化します。しかし、あなたが変わらず、相手に変化を求めるだけでは、何も変わりません。
だからこそ、本気で現場を離れたいと思うのであれば、今任せられることからでもいいので、スタッフさんを頼ってみてください。
そして、スタッフさんを主役にして、どんどん褒めて盛り上げてください。
そういった発信が、お客さんには伝わります。それが、組織を強くするのです。
そうすれば、きっとあなたがいなくとも、回るビジネスがつくれることだと思いますよ?
ぜひ、参考にしてみてくださいね^^
それでは、今日はこのへんで!