from 宮城哲郎
先日、開催したセミナーの参加者の中に、同じようなサービスを提供している2人のスポーツ教室経営者が参加していた。
しかも、ビジネスエリアが被っているという状況なので、両者ともに顔見知り存在で、いわゆる「ライバル」関係にあるという状態だ。
(※正直、最初は気まずかった。笑)
ちなみにサービス内容は同じだが、それぞれに強みがあるので対象客は全然違う両者。
でも「同業」という認識が両者にはあるので、互いにバチバチと意識しあっているというわけだ。
もちろん、だからといって、特にセミナーに支障があったわけではなかったのだが、その後の懇親会で面白いことが起きたので、あなたにもシェアしたいと思う。
競合とコラボ?
セミナー後に開催した懇親会。
ライバル同士というわけなので懇親会でも、この2人だけが微妙な空気を出していた。
他の参加者は名刺を持って互いのビジネスについて語りあっている中、この二人は席も真逆に座るという徹底した避けっぷり。
僕自身、懇親会という場ではセミナーでは話せなかった事や、参加者の個別の悩みなどにも相談に乗るというスタンスで望んでいるので、席を回りながらプチコンサルを展開していた。
そうした状況でこの二人のビジネス上の悩みも聞いていたのだが、話を聞いているうちにある事が閃いた。それは…。
「この両者は競合でもライバルでも無く、パートナーになれる」
ということだ。
そこで、僕はさっそく二人に伝えた。
「一緒にコラボしたら良いじゃないですか?きっと、うまく行きますよ?」
二人はすごく驚いていたのだが、その後の僕の話を聞いて凄く納得してくれた。
競合とのコラボがチャンスになる
普通に考えると、同じようなサービスを展開している業者が自分の商圏の近くにいたら、「どっちが多くのお客さんを取れるか?」という競争に繋がる事だろう。
でも、この二人は「サービス内容は同じ」だけど、対象客が全く異なっているという状態だったわけだ。
具体的には、片方は小学生までを対象としており、もう片方が中高生を対象として活動していたのだが、同じようなサービスでも、対象が違えば「サービスの提供の仕方は別次元」となるので、当然ながら似て異なるビジネスをやっていることになる。
でも、この二人が抱えていた「悩み」というのが面白いもので。例えば・・・。
- 小学生を対象としている方は、小学校を卒業したら自分たちの教室を出ていってしまうという課題があったので、「中高生クラスをいかに開発するのか?」という事で悩んでいたことに対して…。
- 逆に、中高生を対象としている方は、確実に自分たちの主催する中高生の事業に対して小学校を卒業した子が加入して欲しいという思いから、「小学校クラスを開講しよう」と悩んでいたわけだ…。
このような話は、スポーツを仕事にしていると実は「あるある」だ。
もしかしたら、あなたもそうした事で悩んでいたかも知れない。
でも、この行動には実は課題もあって、それは何かと言うと・・・
「畑違いの領域まで事業を拡大して弱体化を招く可能性がある。」という事だ。
対象客を「絞る」という事は、市場にとっては「差別化」要素であり、自社が打ち出す強みにもなる。
よって、その専門性が市場にウケていた事で、こうして事業を継続できている場合もあるのだが。
それにも関わらず、安易に領域を広げてしまって「なーんかボンヤリする」という事態を招いてしまうと…。
それを専門的にやっている別の競合に、これまで築き上げていたポジションを取られるという事にも繋がる可能性もあるわけだ。
もちろん、そうした様々な対象客を同時に囲っていける存在もいるが、それは総じて大手のように豊富な人材を抱えている所に限られる。(またはプロクラブとかね。)
そんなわけだから、リソースが限られている彼らが、自分の強みに加えて「相手の領域」にまで踏み込む事は勿体ないと感じたわけだ。
だから僕は…。
「一緒にコラボしたら良いじゃないですか?きっと、うまく行きますよ?」
そう伝えたのだ。
話をさらに聞くと両者ともに、自分の専門外の領域にトライする事への不安、そしてその間、自分たちの強みでもある既存の事業に力を注げない事への不安というのがあったそうで…。
懇親会という場がそうさせたのか、それとも僕の人間力の賜物なのか(笑)すぐに意気投合。
もともと同じスポーツを愛している同士、目指すべき目標は同じなのですぐに仲良くなってコラボを実現したというわけだ。
何というか、幕末時代の薩長同盟を実現させた坂本龍馬の気分だったが、、、(知らない人はごめんね?)
このように自分達の足りない部分を、それをすでに持ち合わせている人たちに補ってもらうという事は、今の時代すごく有効な手段の1つ。
マーケティングの神様でもあるフィリップ・コトラーは以下のように言っている。
「これからは企業も横に繋がる時代。企業同士で手を組んで多様化する市場の問題解決に対して一緒に取り組むことが生き残るためには必須になるだろう。」
どう、今回の話もまさにそれでしょ?笑
ということで、うまーく権威者の話と抱き合わせてオチにつながったわけだが、これまでのように「いかに自分達だけが生き残るのか?」という発想自体が、実は市場からは違和感を感じられてしまう時代にあるのは確かのようだ。
本来、ビジネスとは誰かの問題や悩みを解決して対価を得るのが本質のはず。どのビジネスに関わっている人でも、大なれ小なら誰かの問題解決に貢献しようという思いでいるはずなわけだから。
となれば、別々で問題解決に対して取り組むよりも、時には一緒に手を取り合ってウィンウィンを得るという方法を模索する事も、今後の時代には必要な考えかも知れないと思うのは僕だけだろうか?
それでは。
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