総合型クラブの収益では食べていけない!に隠された真実

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FROM:宮城亮

 

サロンメンバーからの相談

私の所には、全国から総合型クラブの経営に関する相談がくる。この相談にくる人達の多くに共通するのが、地域のクラブアドバイザーや行政担当者に、「あなたはでは無理だ」と返されたという事だ。

表現はそれぞれ違うが

「3年後の設立を目指して下さい」

「既に既存クラブがあるのでできない。」

「総合型クラブでは収益を上げれないので辞めておいた方が良い」

と言う様な言葉で、簡単にあなたの夢や想いを打ち砕く。

きっとそこで多くの方が、モヤッとしながらも、夢を諦めて行くのだろう。その中でも、まだ諦めきれない人が辿り着くのが、私の所である。

 

最近とあるクラブ経営サロンメンバーから相談があった。この方が、クラブを設立したい○○県のクラブアドバイザーに設立の相談をしたところ、「総合型クラブの収益では食べていけない!」「○○県では、総合型クラブの収益だけで経営できているクラブはない」と言われたと言うのだ。

これはとても恐ろしい事である。この様に。総合型クラブで収益化できていないクラブの経営を支援するのが、アドバイザーの仕事ではないのか。

いつからクラブアドバイザーの仕事が、総合型クラブ設立の夢を持つ者に、諦めろと言うアドバイスをする事になったのだろうか?

彼らアドバイザーは、地域の総合型クラブの経営改善に向けた努力はしているのだろうか?

✔︎クラブのキャッシュフロー改善

✔︎クラブの集客・広告

✔︎クラブのサービス作りからセールスフロー

あげればキリがないが、会社経営について学んだことはあるのだろうか?

 

もし、日本スポーツ協会公認のクラブマネージャー程度の学びや資格で、これらアドバイスをしているなら、本当に恐ろしい事である。その証拠に、クラブマネージャー資格を取得した多くのクラブが、toto助成金の終わりと共に潰れて行ったからである。

 

もちろんこのアドバイザーも、善意で辞めておいた方が良いと言うアドバイスをしたのだと思う。実際に、その県で成功しているクラブがないのだから、その人の知識や経験の中では、難しいと判断したのだろうし、新たな不幸を生んではいけない!と考えたのだろう。

 

これはつまり、現在の総合型クラブ業界だけでは、この問題を解決しようがないと言う事である。毎年の様にブロック会議という名で、北海道・東北・北陸・関東・東海・近畿・中国・四国・九州各地で開催されている会議を行なっていても、何ら状況は改善されないという事だ。

 

これら会議を推進し、毎年学んでいるクラブアドバイザーがこの様な状況なのだから、そこに助けを求めてくるクラブが、自立し収益化するなんて到底無理な話なのかもしれない。

 

実際に、私も何年も他県に出向いて、これら会議にも出席したし、これとは別の全国会議にも参加させて頂いた事はあるが、人との出会い以外に実りがあったという会議は少ない。

 

この様な話をすると、うまく行っているクラブもある!と反論したい人もいる事だろう。もちろん0だとは言わない。しかし、なんとかなっているクラブも、延命処置の様に、自治体が補助金を出して、無理やり魅力のないスポーツプログラムを開催していたり、自治体が気を使って公共施設の指定管理を委託していることでなんとかなっているクラブが多いのが現実ではないか。

 

私がこのクラブは成功している!と思うクラブは、これら総合型クラブ業界から抜け出して、独自路線で事業を行なっているクラブだけである。

しかし、この様な独自路線で成功したクラブが、行政の事業を受けようとすると、延命処置された弱者クラブ達が団結をして、邪魔をしようとしてくるのだ。そんな事に疲れた独自路線クラブは、益々業界を離れ、そして社会的な総合型クラブの信用も失って行くのである。

私は、この様な状況に危機感を覚えている。そして業界全体で変わって行ってほしいと願っている。その為には、もっと多くの成功事例を出していかなければならなし、経営できていないクラブさん達にも、是非今からでもクラブの立て直しを図って欲しいと願っている。

 

なぜ食えない総合型クラブが多いのか?

では、なぜこの様に食っていけない総合型クラブが多いのだろうか?クラブアドバイザーの実力不足か、日本スポーツ協会の進め方が悪いのか、toto助成金のばら撒き方が悪かったのか、国の施策が悪かったのか、いやいやそんな事はない。これら皆さんは、まだ日本にスポーツクラブの種がない時から、多くの時間と手間と予算をかけて、ここまでやってきてくれたと思っている。

なぜお前がそんな事言えるのか、ただ気を使っているだけではないか、そう言われるかも知れなが、私は日本以外の何ヵ国かで、これらスポーツクラブやスポーツ行政、スポーツ環境を目にしてきた。この様に、手厚く延命までしてクラブを見守ってくれる状況は、他国ではなかなか見られない。

 

では、理由は何なのだろうか。なぜ食えない総合型クラブが後を絶たないのだろうか。

 

それは、クラブ設立者達が、クラブ経営を甘くみているという事に他ならない。残念だが、それに尽きる。

「好きなスポーツを仕事にしたい!」「toto助成金を活用したらお金が貰える」その程度の甘い考えで、これら公金を手にしたり、地域を巻き込む人があまりにも多いのである。

クラブを作るのも、会社を企業するのも全く同じ事である。組織を立ち上げ、自ら収益をあげ、スタッフに報酬を支払い、地域に貢献する。これを徹底しなければならない。

ちょっと自分の好きな事がしたいとか、助成金がもらえる程度の動機で始めた奴が食って行ける訳がないのである。

 

誰が考えてもこんな簡単なことわかるではないか?

 

プロ野球選手は、高い給料がもらえるらしい!よっし!甲子園目指そう!なんて簡単に野球を始める奴が、甲子園で活躍し、プロ野球選手になれる訳がない。血が滲む様な努力をしても、それでも一握りの人しかなれないのがプロ野球選手なのではないか。

我々総合型地域スポーツクラブも、この様な地域のスポーツ活動のプロにならなければならない。中途半端な気持ちでやっては絶対にいけない。

 

それにも関わらず、「俺はプロになれなかった!」といじけているヤツの話を聞いてあげたり、励ます役割をクラブアドバイザー達は行なってきたと思うので、そりゃ「食えないから諦めたほうがいい!」なんて発言も言いたくなりますね。

 

それでも日本のスポーツ環境を守らなければならない

そうは言っても、彼らが始めた事により、スポーツする場所が得られた地域の人は多い。そこはしっかりと評価してあげなければならない。

 

また子供達の体力低下、成人の運動不足による疾患、介護予防など、まだまだスポーツが地域で解決しなければならない課題は多い。

 

これら課題の認識を、行政も含め誰もがしているにも関わらず、なぜクラブは食っていけないのか?それは、自ら事業を計画し、見積りを出す事ができないからである。

 

私は何度も話に出すが、日本では水とスポーツはタダという感覚がいまだに残っている。だから、東京オリンピックのスポンサーから、コンサル料を取ったということで逮捕される様な人も出てくるのである。つまり、変なお金の工作をする様になるのである。

 

適切にスポーツ活動にかかる費用を算出し、その予算で得られるであろう効果を提案し、結果を検証し、更なる事業展開を行えば良いのである。

この様な企業活動の最低限ができないから、申請したらもらえる助成金頼りになるのである。

 

事業は、誰かの悩みを解決する為にある。相手は自分の悩みが解決されるなら、喜んでお金を支払う。つまり、相手の悩みに寄り添って、解決策というあなたのサービスを提案したら良いのです。

それを、自分はスポーツが好きだからクラブをやりたい!なんて言っていたら、勝手にやれよ!となってしまうのは当然の事である。

 

この様に、好きだからやりたい!という人と、本当に地域課題の解決の為にやりたい!という人が混在しているので、クラブアドバイザーも困っているのでだろう。

食えない総合型クラブが存在する理由は、地域の誰かの悩みに向き合わず、自分のしたいことだけやっているクラブが多いというのが真実である。

 

 

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