from 宮城哲郎
最近、うちの娘がダンスにはまっている。
僕がリズム感が全く無いので正直なところ…
「なんでこんなものにハマるんだ?」
そう思っていた。
ただ、娘の「ダンスがしたい!」という熱に対してどうしても断わる事が出来ず、なにより「ちょっとだけ良いパパ」を演出したいという欲求が頭をよぎったので。
パソコンで一人ダンス教室について調べて、自分の家から一番近くの教室に体験でいく事にした。
ということで今回はその体験に行った事から学んだ事をシェアしたいと思う。
完全アウェーな僕
早速、娘をその教室に連れていくと目の前に娘と同じ様な年齢の子供達が一生懸命に練習をしている様子が現れた。
やはり専門的にやっているだけあってどの子もなかなかの腕前だ。
僕は、自分にもそして周りにも厳しいタイプの男なのだが、やはり愛娘の事になると他の親と同様に心配性になる。
「この中で娘はやっていけるのだろうか?」
そんな事が頭をよぎって仕方がないのだ。笑
実際に、この教室には初めていくので教室についたところで何をして良いのかなんて全くわからない。
しかも、ダンスという分野特有なのか周りは全て「母親」が引率している。
その中にもちろんお父さん的な存在はいないし僕は完全にアウェー状態。
人前に立つ仕事をしているのだが実は物凄くシャイな僕。
教室に入った瞬間から「あ〜なんかめっちゃ苦手やわ〜」と心の中でなぜか関西弁を語る始末だった。
だけどそんな想いにさらされながらも僕以上に娘も初めて訪れる場所に緊張している様子だったので。
ここは1つ父親の威厳を見せようと想い、明らかに教室の関係者だろうと思われる「女性版EXILE(?)っぽい風貌」の人に声をかける事にした。
「あの〜すみません…本日無料体験の予約をした宮城ですが…」
そう声をかけたのだ。
僕のにらんだ通りその方は教室の先生らしく、さっそく娘と自己紹介をしてレッスン場(スタジオ)に入っていった。
女性の中でたった一人だけ男
女性中心の保護者の中、男一人で娘の様子を見学する僕。
周りの保護者はすでに付き合いがあるのか、保護者同士で楽しそうに会話をしている。
シャイな僕はここでも必死だった。
なるべく声をかけられない様にする為に完全に存在を消す事に集中したのだ。
もしも、僕がスマホでも持っていればきっとスマホを見ているフリをして。
「いいかい?今僕はスマホを見て集中しているから声はかけないでね?」的な空気を出せるのだが。
なんと現在の僕は、敬愛するダンケネディ先生の真似をしてテクノロジーとは縁のないフリをしている最中である。
よって周りのクライアントやパートナーにも。
「ええか?スマホなんていつでも連絡が取れる様な状態に、
自分の身を置くなんてのは価値を下げる証拠や!」
※ここでもなぜか関西弁。
そんなことを強く語ることで。
「あ、宮城さんってそれほどに自分のビジネスの為に自制しているんだ!」
的なキャラを演出中だったのだ。
しかし、もちろん今はそんな事を言っている状況ではない。
もしも、このまま周りの主婦の皆さんに声をかけられたら僕はどんな会話をすれば良いのだろうか?
そう考えるだけで緊張してきたのである。
「そうだ、この状況を解決するには本でも読んでいるフリをすれば良いんだ」
そう思った僕は、鞄の中にある本を取り出そうとした。
「これでやっと声をかけられずに済む…」と安堵する僕。
しかし、ここで大きな問題が起こった。なんと鞄から取り出した本のタイトルが…
「影響力の武器 〜ロバート・B・チャルディーニ作〜」汗
あかん、そんなの本を出してここで読んだら絶対にあかん。
これ絶対にこんな場で読んだらあかんヤツじゃないか。
僕はそう、心の中で思った。
もしも「影響力の武器」なんてタイトルを周りに主婦層に見られてしまったら…。
「なに、あの人?変な心理学の本読んでいるんだけど?きもーい」的な事になりかねない。
ただでさえ、マーケティング好きはオタクだと思われがちである。
以前、娘が通う幼稚園の保護者の集まりで好きな番組はと聞かれ…
「ショップジャパン(通販サイト)」
そうガチで答えたら完全にドン引きされた記憶がよみがえる。
「だめだ。この作戦は中止だ…。」
このままでは自分ばかりか娘に対しても悪い影響を与えかねない。
僕は、そっと本を鞄に戻したのだ。
そうこうしてるうちに娘のレッスンが終了。
なんか一人で緊張してた事に思わず笑ってしまった。
「娘さんダンス向いてますよ?」先生の言ったキラーワード
レッスンも終わったので先生の所にいってお礼を言うことにした。
そしたらその時先生はこう答えてくれた。
「娘さん、凄く表現が素敵でダンス向いていると思いますよ?」
僕は素直に嬉しかった。なぜなら自分の娘が褒められたからだ。
親としては当たり前だろうが一気にこの先生に対して親近感と尊敬の念が湧いた。
※そして心の中で「さっきはエグザイル風と思ってごめん」と謝った。笑
すかさず先生は娘に対してもこういった。
「ゆいちゃん(娘の名前)ダンスとても上手だからたくさん練習したらもっと上手く踊れる様になるよ?」と。
それを聞いた娘は僕に対して…
「ねぇ、パパ!ゆい今日とても楽しかったからダンスをもっとやりたい!」
そう語った。
僕は、この時に悟った。「これは入会決定だな…。」と。笑
物凄く緊張していた無料体験前とは大きく変わり、教室が終わる頃には僕は入会する気満々の状況になっていたのだ。
まさにマーケティングである。
見込み客に対して「欲しい」と思ってもらい、実際に商品を購入してもらうというプロセスに僕自身が乗っていたのだ。
しかも教室系のビジネスモデルは「継続性」のあるモデルである。
一度お金を払ったら終わりではなく退会するまでずっとお金を払い続けるモデルだ。
これってスポーツクラブでも応用が効くと思わないだろうか?
全く買う気が無かったのに購入した理由
当初、僕はまったくもって娘をダンス教室に入会させる気はなかった。なぜなら僕自身が全く興味がなかったからだ。
だけど、たった一度のきっかけでその教室に足を運び、娘が体験した事を目の当たりにすることでいつしか入会しても良いと思える様になったのだ。
この事は、本当に多くの分野でも応用ができるし、僕等がいつも意識しなくてはいけないのは「きっかけ」を与える事なのだ。
決して運に任せたきっかけではなく、こちらが主導になってそのきっかけの場を作る事が重要なのである。
今回、娘との体験談からここまでお話しして来たが、今回の僕と娘の体験談があなたのビジネスに役に立ったら幸いである。
PS スポーツを仕事にしている人が意識している事、その秘密を知りたくはありませんか?
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