地域に根ざした総合型地域スポーツクラブの作り方

FROM:宮城奈津子

 

2008年の夏頃。

 

私は初めて総合型地域スポーツクラブという存在を知りました。

 

もしかしたら、あなたも今初めて聞くかもしれませんね。

 

総合型地域スポーツクラブとは、1995年に文部科学省が行っている「スポーツ振興施策」のひとつ。

 

スポーツ振興とは、言葉の通り、スポーツを盛り上げるという意味で、地域に根ざしたスポーツを盛り上げるクラブを作っていこう!こう考えたんですね。

 

それがまさに、総合型地域スポーツクラブというもの。

 

きっと、あなたの街にも「総合型地域スポーツクラブ」という名前で活動しているスポーツクラブがあるはずです。なにせ、全国にはおよそ3000ものクラブがあるんですから、驚きです。

 

ただ、いつもスポビジ大学のタスクさんが言っていますが。3000クラブとはいっても、きちんと収益を得て自主運営しているクラブは少ないというのが現状です。

 

私自身、クラブマネージャーとして「サンビスカス沖縄」で働かせてもらっていますが、、、

 

2008年はまだ「総合型地域スポーツクラブ」が何のためにあって、誰のためのものなんか考えもつきませんでした。

 

しかし、クラブ設立から8年目にして、気がついたことがあるんです。

 

「スポーツ振興の目的で作られた総合型地域スポーツクラブ自体が盛り上がらないとスポーツ振興は難しい」

 

と、いうこと。

 

プロクラブの行うスポーツ振興もとても素晴らしいものですし、その影響力というのは大変大きいものです。

 

しかし、プロクラブだけに頼るスポーツ振興だけでは、全国民を対象と考えたときにはわずか一握りなんですよね。

 

だからこそ、より幅広い世代に対して、それぞれの興味や関心、競技レベルに合わせられる、地域に根ざしたスポーツクラブが必要だ。

 

そう考えたから、文部科学省は地域のスポーツクラブを支援しますよ、と施策をたてたわけです。

 

総合型地域スポーツクラブ代表者の悩みとは?

しかし、いざ総合型地域スポーツクラブの全国会議や地方会議に出席すると、多くの人が不安や悩みを抱えています。

 

「どうやって収益を得られるのか」

「どうしたら会員を集められるのか」

「指導者がいない・若者がいない」

「来年助成金がとれなかったらクラブは終わる」

などといった、ネガティブな声がよく議論であがります。

 

でも、私は思うんです。

 

そういった考えでクラブの代表者が悩んでいては、クラブが盛り上がるはずがありません。

 

活気のある会社というのは、どんどん収益構造を確率しています。

 

なんか、勢いのある会社ってのは誰が見ても憧れますし、そこで働きたい!という意欲も湧いてきます。

 

それは、スポーツクラブでも同じで。

 

暗い顔でどんより、元気のないクラブより、活気があって、人の笑顔が溢れるクラブのほうが収益も、人材も、財源も集まってくるのではないでしょうか。

 

総合型地域スポーツクラブというのは、今やJリーグクラブや、Bリーグなど、プロスポーツクラブでも取り入れられています。

 

プロクラブでさえ地域に根ざしたクラブの必要性は充分に感じています。

 

ただ「そのスポーツが好きな人」だけでは、どうしても収益を確率することができないんですね。

 

なので、より多くの地域住民を巻き込む活動をしていかなくてはいけないのです。

 

失敗だらけの集客法

そこで、私たちサンビスカス沖縄が行ってきた事例をひとつ紹介します。

 

今では当たり前にやっていますが最初の頃はまったく財源がないときでしたから。それは悲惨でしたね。笑

 

でも、私たちの理念でもある「スポーツで街を元気に!」という言葉。ただそれだけを信じて

 

「いつかスタジアムを建ててやる!」

「100万人にスポーツを体験してもらおう!」

「国際試合ができるようなプロチームをつくってやる!」

 

そういった先の希望を持つことで、たとえ財源がなくとも、頑張ってこれたと思いますし、ここまで成長できたのではないかと思っています。

 

もちろん、スムーズにいったのかと言われるとそうではありません。

 

主婦向けの教室のチラシをつくって、街で配っては反応なし。笑

公園でサッカー教室のチラシを配ってはゴミ箱に捨てられてる。笑

自己紹介すると「え?なに?ハイビスカス?」と間違えられる。笑

自治会の集会に参加して介護予防教室のアピールをすると高いと言われる。笑

 

いや〜今思い出すだけで嫌な時期でしたね。

 

でも、これって実は当たり前なんです。だって、自分たちのことしかアピールしてませんもんね。

 

スポビジ大学で学んでいるあなたなら、きっともう気がついていると思いますが。

 

自分のアピールをしたところで、相手には嫌がられるだけです。人は何かを売られると、防衛本能が働きます。

 

なので、急にチラシを渡されても、初対面でいきなりセールスされても、買う人はなかなかいません。

 

そこで、私たちがとった作戦が、「地域のお悩み解決隊になろう!」ということでした。

 

地域のお悩み解決隊になる!

当時、総合型クラブの代表である宮城哲郎さんは、市役所の全部の部署を回り…

 

「私たちに何かお手伝いできることはありませんか?!もちろん無料でさせてください!」

という事を言いながら、名刺と手作り感たっぷりのチラシを配り歩いたんですよね。

 

もちろん最初は「なんだこいつは」という冷たい反応・・・笑

 

うちのクラブがある市役所はかなり大きく、地下3階から7階まであります。

 

そんな広く、大きな建物の中を、総合型地域スポーツクラブとは全く関係もなさそうな部署や課にまで出向き、窓口については…

「何かお手伝いする事はありませんか〜?」ばかり。笑

 

今では偉そうに(?)マーケティングを語っていますが、その当時は哲郎さんも含めて誰もマーケティングの「マの字」も知りません。。。

 

当時の頃の話になると…

「あれは無いよな〜」とか、「あの頃だから出来たな〜」と苦笑いをしています。

 

でも、そういった活動を数ヶ月も続けてやっていると、情熱を感じてくれた何人かの課長さんが、ポツリポツリと声をかけてくれたんです。

・実は介護予防の講師がいなくて困っていたんです!

・小学生の放課後で居場所づくりをしてくれませんか?

・体育の先生の代理をお願いできませんか?

・図書館とスポーツで講話しませんか?

・地域の安全見回りをお願いできませんか?

・平和大使として活動して頂けませんか?

・障がいを持つ子供達になにかスポーツを教えてくれませんか?

などとね。

 

もちろん、私たちに手伝えることはとことん引き受けましたし、とにかくなんでもやりました。

 

すると、市役所の職員さんはもちろん、地域住民の方々の喜ぶ顔が見られたんですよね。

 

「本当にありがとうございます!ありがとうございます!」というふうに、感謝の声がどんどんサンビスカスに向けられたのです。

 

そして、私達は気がついたんです。

 

設立当初のように、自分たちの商品をただただ売り込むのではなく。

 

地域の方々が悩んでいることを、私たちの得意なことで解決してあげたら、向こうからお願いして来てくれる、と。

 

それからは行政の方々との交流も増えましたし、県や市の事業も委託して頂いたり、小学校や中学校、保育園や幼稚園、民間のスポーツクラブや企業とのマッチング、海外との交流イベント、県外からの取材、海外からの取材などなど。

 

驚くほど状況が一変しました。

 

そして、会員集客という枠を超えて、総合型地域スポーツクラブが、地域のお助け隊になることが、一番の営業なんだということに気がついたのです。

 

 

まずは、地域が何に困っているのかを知る

どんなお仕事もそうだと思うのですが。やはり困っている誰かの手助けをすることこそが、一番の信頼になります。

 

その信頼が積み重なることで、はじめて価値として評価され、こちらからお願い営業しなくとも、向こうからやってくる、ということができてくるんですね。

 

なので、もしもあなたが総合型地域スポーツクラブを運営している代表者、もしくは経営者ならば。クラブのいいとこばかりをアピールするだけではなく、何か地域の力になれないか?という視点で考えてみてください。

 

一見、スポーツとはかけ離れたように思えることでも、お手伝いできることがあるかもしれません。

 

とくに、立ち上げたばかりのクラブなら、そうやって地域の人たちに「知ってもらう」必要があるのです。

 

今回は、具体的なノウハウというよりも、考え方についてお話ししましたが。

 

ぜひ、あなたのクラブも、地域のお助け隊になってください。地域で困っている人を助けてあげてください。

 

そして、ぜひそのお話しを、全国の総合型地域スポーツクラブのみなさんとシェアできればと思っています。

 

それでは今日はこのへんで。

 

PS そんな宮城哲郎氏のストーリーとその逆転劇はこちらに乗っています。多くのクラブ代表者が「わかる・・・涙」と言いました。

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